センソリーダイエットってなに?
子育てをしていると、
「じっと座っていられない」
「ちょっとした音や匂いに敏感」
「触られるのを嫌がる」
といった子どもの様子に悩むことはありませんか?
そんなときに役立つのが 「センソリーダイエット」 です。「センソリーダイエット」とは直訳すると「感覚の食事」。
食事のように毎日必要なものをバランスよく取り入れるように、
子どもの脳や体が心地よく働けるように感覚刺激を取り入れる工夫 のことを言います。
特別な道具を使わなくても、お家でできることがたくさんあります。
どうして必要なの?
子どもは日常生活の中で、視覚(見る)、聴覚(聞く)、触覚(触れる)、前庭感覚(体のバランス)、固有感覚(筋肉や関節の動き)など、さまざまな感覚を使っています。
でも、
• 感覚に敏感すぎる子(音や光が苦手など)
• 感覚に鈍感で刺激を求めすぎる子(走り回る、強く触るなど)
は、そのままでは生活がしにくくなります。
センソリーダイエットは、そんな子どもが 「ちょうどいい」刺激を受けられるように工夫する方法 なのです。
お家でできる!センソリーダイエットの工夫例
① 体を大きく動かす遊び
• トランポリンでジャンプ
• ブランコやハンモックに乗る
• 布団の上でごろごろ転がる
→ 前庭感覚(バランス)や固有感覚を育て、落ち着きやすくなります。
② 手先を使った遊び
• 粘土をこねる
• 洗濯ばさみで遊ぶ
• お米や小豆を使った「感触あそび」
→ 触覚を安心して経験でき、集中力を育てます。
③ 落ち着ける環境づくり
• カーテンで光を調整する
• 静かな場所を「安心コーナー」として作る
• 重みのある布団やクッションでリラックス
→ 感覚に敏感な子には「刺激を減らす」工夫が効果的です。
学校でできる!センソリーダイエットの工夫例
発達特性のある子は、教室という環境でも「刺激が多すぎて落ち着けない」「逆に刺激を求めすぎて動き回る」ことがあり、家庭だけでなく学校でも「ちょうどいい刺激」を調整できる工夫が役立ちます。
① 朝の切り替えサポート
• 登校前に軽い運動(家や校庭でジャンプ、階段の昇り降り)
→ 固有感覚・前庭感覚を使って、教室で落ち着きやすくなる。
• ランドセルを背負う、荷物を持つ
→ 適度な重さが安心感につながる。
② 授業中にできる工夫
• 椅子にバランスボールクッションを置く
→ 微細な動きができ、じっと座るのが苦手な子でも集中しやすい。
• 足元に小さな踏み台
→ 足が床につかない子は落ち着きにくいので、安定感をサポート。
• 筆箱に小さなストレスボールを入れておく
→ もぞもぞ動きたいときに、静かに手を動かすことで集中を保てる。
③ 休み時間の工夫
• 思い切り体を動かす遊びを促す
→ 鬼ごっこや鉄棒など、大きな筋肉を使う活動をすると、次の授業で落ち着きやすい。
• 静かに過ごしたい子には“安心できる場所”を用意
→ 図書室や廊下の隅など、「ここなら落ち着ける」場所を決めておくと安心。
④ 給食や音に敏感な子への工夫
• においや音の刺激が強いときは、端の席や後方に座らせる。
• 苦手な食感の食べ物は無理に完食させず、ひと口挑戦をサポート。
• イヤーマフや耳栓の活用も選択肢に。
⑤ 放課後の切り替え
• 学校から帰ったら まずは「感覚リセットタイム」 を設ける。
例:
• ブランコや鉄棒で体を揺らす
• 重い荷物を運ぶお手伝い
• 粘土・ブロックで集中する
→ 一日の疲れを癒して、家庭学習やリラックスに入りやすくなる。
⑥ 教師や支援員に伝えておくとよいこと
• 「この子はこういう刺激が落ち着きやすい」
• 「疲れてきたらここで休むと安心」
• 「ストレスボールや耳栓を持たせています」
➡ 学校と家庭で共通認識を持つと、子どもが安心して過ごしやすくなります。
学校でのセンソリーダイエットまとめ
• 朝は体を動かすことで集中しやすくする
• 授業中は“ちょっと動ける工夫”を仕込む
• 休み時間や給食で安心できる工夫を用意
• 放課後は感覚をリセットする
子どもに合った感覚刺激をバランスよく取り入れることで、落ち着きやすくなり、学校生活を前向きに過ごせるようになります。
ポイントは「やりすぎないこと」
センソリーダイエットは「感覚を無理やり強く与える」ことではありません。
大切なのは、子どもが気持ちよく安心できる範囲で感覚を経験させること。
「今日は元気が有り余っているから体をいっぱい動かそう」
「ちょっと疲れていそうだから静かな遊びにしよう」
そんなふうに子どもの様子を見ながら工夫するのがコツです。
まとめ
センソリーダイエットは、発達特性のある子だけでなく、すべての子に役立つ「生活の知恵」です。
毎日の生活の中でバランスよく感覚を取り入れることで、子どもは安心して過ごしやすくなり、学習や集団生活にも前向きに取り組めるようになります。
子どもの「落ち着かないな」「こだわりが強いな」と感じたときは、まずはお家でできる小さなセンソリーダイエットを試してみてくださいね。
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