「子どもがなかなか言葉を話さない」
「こちらの声かけに反応が薄い」
「会話のキャッチボールが難しい」
そんなときに役立つのが、発達支援の分野で用いられる 「インリアル技法」 です。
専門的な方法に聞こえますが、実は家庭でも取り入れやすい工夫がたくさんあります。
インリアル技法ってなに?
インリアル技法(INREAL Approach)は、アメリカの言語病理学者が発案した 子どもの自然なコミュニケーション力を育てる方法 です。
特徴はとてもシンプルで、
子どもの「今」の気持ちや関心に寄り添い、やりとりを広げる
という考え方に基づいています。
実際どうやって関わるの?
インリアル技法にはいくつかのポイントがあります。
① 子どもの「関心」に合わせる
大人がテーマを決めるのではなく、
「子どもが今遊んでいること」「興味を持っているもの」に合わせます。
例:
• 子どもが積み木で遊んでいたら、一緒に積んでみる
• 子どもが電車を走らせていたら、「ガタンゴトン」と音をまねする
➡ 「あなたの世界に入りたいよ」というサインになります。
② 子どもの言葉や動きをまねる
子どもの発した声や動きを、大人も真似して返します。
例:
• 子ども「バッ!」 → 親も「バッ!」
• 子どもが手を叩いたら、親も手を叩く
➡ 「同じことをしてくれる!」と感じ、やりとりの楽しさが育ちます。
③ 言葉を“ちょっとだけ”広げる
子どもの言葉に、大人が 少しだけ情報を足して返す のがポイントです。
例:
• 子ども「ブーブー!」 → 親「赤いブーブーだね」
• 子ども「ワンワン!」 → 親「ワンワン、歩いてるね」
➡ 子どもは無理なく新しい言葉を学んでいきます。
④ 「待つ」ことを大事にする
つい大人は「こう言ってごらん」「次はこうしよう」と先回りしがちですが、
インリアル技法では 子どもが自分から表現するのを待つ ことが大切です。
沈黙の時間も「考えている時間」と受け止めましょう。
家庭でできるインリアル技法の実践例
• 一緒に遊ぶときは「子どもがリーダー、大人がフォロワー」
• テレビよりも やりとりのある遊び(ごっこ遊び、まねっこ遊び)を取り入れる
• 食事中は「これはにんじん」「カリカリだね」と 実況中継 のように言葉を添える
まとめ
インリアル技法は、特別な教材を使うのではなく、
子どもの関心に寄り添い、ことばややりとりを自然に広げていく方法 です。
• 子どもの関心に合わせる
• まねをして返す
• 言葉を少し広げる
• 待つことを大事にする
この4つを意識するだけで、毎日の関わりが「遊びながらことばを育てる時間」に変わります。
発達特性のある子にも、ことばの発達がゆっくりな子にも、もちろんすべての子に役立つ方法です。
ぜひ、日常の中で取り入れてみてくださいね。
⸻
コメント