兄弟げんか、どう叱る?

叱り方のルール

兄弟げんかは、子育ての日常。そのたびに「また始まった…」とため息が出てしまいますよね。でも実は、兄弟げんかは社会性やコミュニケーション力を育てる“練習の場”でもあります。

とはいえ、ケガにつながる危険な場面や、感情的な言葉の応酬を放置するわけにもいきません。
そこで今回は、「冷静に叱りつつ、子どもの成長につながる関わり方」を、作業療法士の視点から分かりやすくお伝えします。

叱る前にまずすること

“実況”で場を落ち着かせる

大人がいきなり
「こら!やめなさい!」
と介入すると、子どもはさらにヒートアップしがちです。

まずは状況を実況するだけでOK。

● 例
• 「二人とも、大きな声が出てるね」
• 「おもちゃを取り合っているみたいだね」
• 「今、悲しい気持ちになったのかな」

▶ 大人の冷静さが、そのまま子どもへの“落ち着きのヒント”になります。

悪い・良いをジャッジする前に

“気持ち”を見つける**

兄弟げんかの多くは
• 自分の思い通りにしたい
• 取られた気がした
• 気持ちを言葉にする前に手が出た
など、「気持ちの衝突」から起こります。

そこでまず、ケンカの根っこにある気持ちを言葉にすることが大切。

● 声かけ例
• 「貸してほしかったんだね」
• 「邪魔されたように感じたんだね」
• 「順番を守ってほしかったんだね」

▶ “気持ちをわかってもらえた”と感じると、子どもは聞くモードになります。

危険な行動だけを明確に注意する

気持ちは受け止めつつ、行動の線引きはしっかりします。

● NG行動のみ、短く伝える
• 「叩くのはダメ」
• 「投げるのはダメ」
• 「押すのは危ないよ」

ここで説教を長くしないのがコツ。
長い説明は、興奮時の子どもには届きません。

“どうしたらよかった?”を一緒に考える

落ち着いてきたら、改善の練習タイム。

● 一緒に考える例
• 「貸してほしい時は、どう言えばよかったかな?」
• 「嫌な時は“やめて”って言えるといいね」
• 「順番はどう決めるとケンカになりにくいかな?」

▶ ここが“社会性トレーニング”の時間。
作業療法でもよく使う「対処行動の練習」です。

誰かを悪者にしない

兄弟げんかでは、「上の子だけ叱られる問題」や「気弱な子が損をする問題」が起きがち。

大事なのは、行動を正すのであって、子どもの人格を評価しないこと。

● 言ってはいけない言葉
• 「またあなたでしょう!」
• 「いつもお兄ちゃんが悪い」
• 「弱い者いじめはダメ!」

人格ではなく“行動”に焦点を当てる ことで、子どもの自己肯定感を守れます。

ケンカ後は“リセット時間”をつくる

ケンカが終わったあとに整えるのも大事。

● 簡単にできるリセット方法
• 一緒に深呼吸
• お茶を飲む
• それぞれの部屋で3分休憩
• 好きなぬいぐるみを抱く
• “ぎゅー”っとハグする

子どもは「切り替え」が苦手。
大人が促すことで、次のトラブルを減らすことができます。

まとめ

親が一番覚えておきたいことは、

兄弟げんかは、
「社会性の練習」×「自分の気持ちの扱い方の練習」

私たち大人は
叱るのではなく、
“ガイド役”として育ちを支えるのが本当の役割です。

完璧に仲裁しなくても大丈夫。
子どもの成長のチャンスを一緒に見守っていきましょう。

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