冬の朝がつらい子へ〜“行きしぶり”を和らげる声かけのコツ〜

育てる声掛け

寒い冬の朝。
「早く着替えて!」「学校の時間だよ!」と声をかけても、
お布団の中でぐずぐず動かない…そんな日、ありませんか?

特に発達特性のある子どもたちは、気温の変化や生活リズムの乱れに敏感で、
冬になると“行きしぶり”が強くなることがあります。
今回は、そんな子どもへの“作業療法的な視点”を取り入れた、声かけと関わり方のコツをお伝えします。

なぜ冬に「行きしぶり」が増えるの?

「行きたくない」「体が重い」には、実はいくつかの理由があります。

① 体温調節がうまくできない
冬の朝は体が冷え切っていて、動き出すまでに時間がかかります。
発達特性のある子は、自律神経の切り替えが苦手なことも多く、
“エンジンがかかるまで時間がかかる”状態になりやすいのです。

② 感覚の切り替えが苦手
ぬくぬくした布団の感覚から、冷たい床や服の感覚に変わるのがつらい。
この「感覚のギャップ」が、動けない原因になっていることもあります。

③ 心のエネルギーが足りていない
冬休み明けや年度末にかけては、疲れがたまりやすく、
「また一日が始まるのか…」と心理的にも重く感じる時期。
気持ちを切り替える力が落ちてしまうこともあります。

朝の“行きしぶり”を和らげる3つの声かけ

ここでは、無理に「頑張りなさい!」と叱るのではなく、
安心感と自信を引き出す声かけのコツを紹介します。

① 「まず、体を起こすだけでOK」
いきなり「着替えて」「ごはん食べて」と伝えると、ハードルが高く感じます。
まずは最初の一歩、「体を起こすだけでいいよ」と小さく区切りましょう。

🌼例:「まずは起きるだけチャレンジしてみよう」
🌼例:「お布団の上で背伸びだけしようか」

“小さな成功”を積み重ねることで、次の行動への意欲が生まれます。

🧤② 「寒いね、一緒に温まろう」
「早くしなさい!」よりも、共感の言葉をかけることで、子どもの心が落ち着きます。

🌼例:「寒いよね。ママも手が冷たい〜!」
🌼例:「お部屋を温めようか。一緒にストレッチしよう!」

共感+共同行動で、体も心も“スタートモード”に切り替わります。

☀️③ 「ここまでできたね!」を伝える
朝の支度がスムーズにいかなくても、
「できた部分」を見つけて褒めることが大切です。

🌼例:「顔洗えたね!もう半分終わり!」
🌼例:「昨日より早くおきられたね!」

“昨日より今日”の成長を認めることで、自己肯定感が高まり、行動の意欲が続きます。

おうちでできる「行動スイッチ」工夫

ちょっとした環境調整で、朝の流れをぐっとラクにできます。
• ⏰ 起きる30分前に部屋を温めておく
• 🌅 起床時にカーテンを開け、朝日を浴びる
• 🎵 好きな音楽や目覚ましを活用
• 👕 朝の支度の順番を絵カードで“見える化”

行動を「見て分かる・予測できる」形にすることで、頭の切り替えがスムーズになります。

まとめ

冬の朝は、大人でもつらいもの。
子どもが「行きたくない」と感じるのは、怠けではなく、
体や心の準備が整っていないサインかもしれません。

無理に急かすよりも、
• 小さく始める
• 共感する
• できた部分を認める

この3つを意識して、“冬の朝”を一緒に乗り越えていきましょう。

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