小学校入学を控える時期は、親子ともに期待と不安が入り混じる時期です。特に発達に特性のあるお子さんにとっては、新しい環境が大きなチャレンジとなることも。今回は、就学前に準備しておくと安心できるポイントをお伝えします。
① まずは子供をより深く理解する
就学準備の第一歩は「わが子を知ること」です。
• 得意なこと・苦手なことを整理する
例:お絵描きは好きだけど、文字を書くのは苦手。人前で話すのは緊張しやすいけど、パズルは集中できる、など。
• 不穏な時のサインを知っておく
例:機嫌が悪くなると目をそらす、手を握りしめるなど、イライラの前兆を知っておくことで、早めのフォローが可能に。
• 有効なコミュニケーション方法を知る
絵カードやジェスチャー、単語・短文でのやりとりなど、お子さんが安心して意思を伝えられる方法を把握しておくと、集団生活でも役立ちます。
各自治体が就学支援シートをだしている場合も多く、子供を理解するための思考の整理に役立ちますので、是非さがしてみてください。
② 就学前相談を受ける
自治体や教育委員会で実施されている「就学前相談」は、子供の発達の状況をもとに、入学後の支援の方向性を相談できる大切な機会です。
• 「どんな学び方が合うのか」「支援学級や通級指導教室はどうか」などを相談
• 必要な配慮(例:音に敏感であれば席の配置)を伝えるきっかけにも
とはいっても、「大事にしたくない」という気持ちから就学前相談に消極的な場合もありますよね。また「うちの子、大丈夫かな?」と悩んでいる場合も、ここで専門家に相談できることで、安心材料が増えます。また支援学級や通級だけでなく、特性のある子をフォローできる教員の配置につながることもあり、伝えておくメリットもあります。
③ 小学校側に子供の情報を伝えておく
入学前に学校とつながりを持っておくことは、円滑なスタートにとても重要です。
• 生活面・学習面の得意不得意や配慮が必要なことを伝える
例:「名前を呼ばれても気づきにくい」「着替えに時間がかかる」など、小さなことでも先生が知っていれば対応が変わります。
• 学校側に『協力をお願いしたい』という姿勢で伝えることがポイント
一方的に「こうしてほしい」と求めるのではなく、「家庭ではこうしています。学校でもこういう配慮をしてもらえると助かります」と丁寧に伝えることが大切です。
学校の人員状況によりますが、フォローできる教員配置にしてもらえる場合や経験豊富な先生に担当してもらえるなどの可能性もUPします
④ 子供に小学校生活を伝えておく
小学校生活は幼稚園・保育園と大きく変わります。事前に「どんな場所か」「何をするのか」を具体的に伝えましょう。
• 絵本や動画、写真など視覚的な情報を使うと◎
• 可能なら小学校の見学や「体験入学」に参加する
「こんなところに行くんだ」「トイレはここ」「ランドセルはこう使うんだ」と、実際に見て体験することで不安が減ります。
• 「小学校って楽しいよ!」という前向きなイメージづくりも忘れずに。
⑤ 生活リズムを整える
入学後の朝の登校時間や学習時間に備えて、生活リズムの見直しを始めましょう。
• 朝起きる時間、寝る時間を小学校に近づけていく
• 「起きたら顔を洗う」「朝ごはんの時間」など、一日の流れをつくっていく
※特に発達特性のあるお子さんは「切り替え」が苦手な傾向があるため、予測可能なスケジュールが安心につながります。早めに小学生の生活リズムに慣れておく必要があります。
⑥ 親のサポート体制を整える
お子さん以上に親も大きな環境の変化に直面します。サポート体制を見直しましょう。
• 家庭内での協力体制(パートナー、祖父母など)、仕事がどの程度調整可能かを確認する
• 放課後デイサービスや学童などの利用も検討する
• 必要に応じて、スクールカウンセラーや発達支援センターとの連携を
そして何より大事なのが、「親がひとりで抱えすぎない」こと。小学校入学は、親子ともに大きな一歩。完璧でなくていいから、必要なサポートを受けながら一緒に進んでいきましょう。
まとめ
「就学」はゴールではなく、新たなスタートです。不安もたくさんあるかと思いますが、お子さんの「できた!」を増やしていくための準備期間と考えて、一歩ずつできることから始めていきましょう。
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