ASDってなに?

発達特性と作業療法

ASDとは?

ASDは「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder)」の略です。昔は「自閉症」や「アスペルガー症候群」などと分けられていましたが、今ではすべてまとめて「ASD」と呼ばれています。

ASDの子どもたちは「社会性・コミュニケーション」「こだわり」「感覚の特性」などに特有の特徴をもっており、それが日常生活や集団の中でちょっとした“困りごと”として現れることがあります。

■ ASDの特徴ってどんなこと?

ASDといっても、子どもによって現れ方はさまざまです。以下はよく見られる特徴です。

● 社会的なやりとりが苦手
• 人と視線を合わせない、笑いかけない
• 会話のキャッチボールが一方通行になりがち
• 空気を読むのが苦手(場の雰囲気を察するのが難しい)

● こだわりが強い
• 物の並び方や順番に強いこだわりがある
• 毎日のルーティンが少しでも変わると混乱する
• 好きなものに集中しすぎて他が目に入らないことも

● 感覚が敏感 or 鈍感
• 音や光、においにとても敏感
• 逆に、痛みに鈍感でケガをしても気づきにくいことがある
• 服のタグや肌触りが気になって着られないこともある

ASDは「困った子」ではなく「困っている子」

ASDの子どもたちは、わざと変わった行動をしているのではなく、「その子の感じ方」「脳の特性」によって自然にそうしてしまっていることが多いのです。

たとえば…
• 急な予定変更でパニックになったり
• 音がうるさくて授業に集中できなかったり
• 「それって変じゃない?」と言われて自信をなくしたり

一見、わがままに見える行動の裏には、「困っている気持ち」が隠れていることがよくあります。

一方で突出して得意なこともあります。
• 記憶力がすごい!
• 数や地図、電車などへの強い興味
• 規則正しさや細かい作業が得意

得意なところを伸ばせるサポートが必要ですね。

具体的なサポート

医療や特別支援の専門家でなくても、家庭や学校でできるサポートがあります。

● わかりやすく伝える

→ 抽象的な言い方を避け、具体的に短く伝えましょう(例:「あとで」ではなく「5分後に〇〇するよ」)

● 見通しをもたせる

→ スケジュールや予定を絵や文字で“見える化”することで安心感を得やすくなります。

● 気持ちに寄り添う

→ 「どうしてそんなことするの?」ではなく「〇〇がイヤだったんだね」と共感を先に伝えることで信頼関係が深まります。

まとめ

■ ASDの子が安心して育つために

ASDの子は、「できない」ことに目を向けられがちですが、「得意」や「好き」に注目することで、大きな力を発揮します。

「どうしてできないの?」ではなく、「どうしたらできるかな?」と考える視点が、その子の“できる”を育てる第一歩になります。

一人で抱えず、保育園・学校・医療・専門機関など、いろんな支援を借りながら、子どもの“できる”を一緒に育てていきましょう。

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