LDってなに?

発達特性と作業療法

LDとは?

LDは「Learning Disabilities(学習障害)」の略です。
「障害」と聞くとびっくりされるかもしれませんが、これは「知的な発達に遅れはないけれど、読む・書く・計算するなど、特定の学びにくさがある状態」のことを指します。

つまり、「勉強が苦手」ではなく、「学ぶときに特別な困りごとがある」ということです。

LDの特徴

といってもなかなかイメージしにくい人もいるかもしれません。

LDの子どもたちは、一見するととても普通に見えます。話し方もしっかりしているし、理解も早い。でも、いざ教科書を読んだり、漢字を書いたりすると、そこだけがなかなかうまくいかないのです。

代表的なタイプは3つあります:

LDのタイプ困りごとの例
読字障害
(ディスレクシア)
文字がうまく読めない、文を飛ばして読む、文字がぐにゃぐにゃに見える
書字障害
(ディスグラフィア)
字がうまく書けない、形が安定しない、マス目におさまらない
算数障害
(ディスカリキュリア)
数字の概念がつかみにくい、繰り上がり、繰り下がりが苦手、文章問題が理解しづらい

LDの原因は?

LDは脳の情報処理の特性によって起こると言われています。育て方や本人の努力不足が原因ではありません。

親御さんも「もっと頑張ればできるはず」「サボっているの?」と思ってしまいがちですが、頑張ってもどうしても苦手なことがあるという子どもたちなのです。

よくある誤解

誤解本当は…
知的な問題があるのでは?知的発達は正常です。むしろ言語野興味のある分野に強みのある子もいます。
怠けているのでは?本人は必死に頑張っています。でもうまくいかないのです。
しつけでなおる?脳の情報処理の特性なので、しかっても改善しません。

理解されにくい症状ゆえ、周囲が気づかないこともよくあります。違和感に早めに気づいて適切な対処ができると、本人の苦しい時間が減ります。

サポートの例

◎家庭でできること
• できることをたくさん褒める
「読めない」より「この絵の説明うまいね!」という声かけが自信につながります。
• 学び方を工夫する
例えば…
• 漢字はカードで視覚的に覚える
• 読み聞かせや音読アプリを活用する
• 音声入力やタブレットでの学習も◎
• 短い時間で集中できる工夫
長時間机に向かうより、5分×3回など短い学習を。

◎学校と連携する
• 「うちの子、ここが苦手みたいです」と伝える
担任や支援コーディネーターと相談し、支援計画を立てましょう。
• 合理的配慮(教育現場でできる工夫)
例:
• 音読を強制しない
• テストは読み上げOKに
• 黒板の板書をプリントで代用

◆ こんな才能も!

まとめ

LDは「目に見えにくい困りごと」です。だからこそ、気づかれにくく、誤解されやすい。
でも、理解してくれる大人がそばにいるだけで、子どもたちはのびのびと力を発揮できます。

またLDのある子は、不得意な分野がある一方で、豊かな想像力、芸術的センス、論理的な思考、ユニークな発想力を持つことも珍しくありません。「できないこと」に目が行きがちですが、「その子がもっている強み」にもぜひ目を向けてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました